ベネッセとインテリジェンスの強みを融合
こどもちゃれんじで有名なベネッセが得意とする“まなぶ”と、DODAの展開でも判るように“はたらく”を支援することを得意とするインテリジェンスが、“まなぶ”と“はたらく”をつなぐサービスの提供のため「ベネッセ i-キャリア」という合弁会社を2015年4月1日に立ち上げたのは記憶に新しい。文字通り、教育のプロと仕事のプロがタッグを組んだことは、業界では大きな話題であり、本格的なイノベーションといえるであろう。
新卒者・第二新卒者を支援する「DODA(デューダ)新卒エージェント」
新卒の就職活動というと、各大学のキャリア課(就職部)が学生向けに開催する学内イベントや、企業紹介、紹介会社などが主催する就活イベントに参加するのが一般的。
また、在学中に複数の企業でインターンシップ生として、職業体験を積んで大学卒業後の進路を絞り込んでいくというのが通例ではないであろうか。
そのような中で、エージェントといえば、転職を希望する方々に対しての支援が多く、これまでの常識、特に就活前期の大学生にとっては選択肢に入りにくいものかもしれないが、これから経団連に入っているような企業が一斉に採用活動を始める今年のようなケースでは、既卒者が大量に出る可能性があるため、学生にとっては支援事業を展開する紹介会社のサポートを受けることは、今から検討する価値がありそう。
一度しか使えない『新卒』という名の一流ブランド
4年間学んできて無内定状態が続き、そのまま卒業すれば、既卒という属性になってしまう。やはり新卒ブランドは一度しか無いのである。
単純に仕事を紹介するだけではなく、個々の学生が抱える根本的な課題を解決することが必要である。当然だが、支援を必要としない層には「求人」を紹介するだけでも十分である。
しかし、一旦、就職しても若年退職者が後を絶たない状況下では、人も組織も定着せず、個人においてはキャリア形成に難が発生、組織においては成長戦略に支障を来すことにつながりミスマッチが発生しているのが実情といえる。
こうした状況を打開すべく、今回のような「教育」と「就職支援」を組み合わせた、教育融合型の人材紹介ビジネスが増加傾向にある。
ベネッセとDODA(インテリジェンス)が役割分担
結局のところ、今回のリリースで何がどうなるのか?
インテリジェンスのホームページにあるリリース記事では、「初年次教育に強いベネッセと、就職支援に強いインテリジェンスが連携することで、学生が在学中から就職して社会人になるまで、幅広い充実したサービスでサポートが可能になります。」という説明がなされているが実際のところ、どのような分担になっているのか。筆者が掻い摘んで共有する。
引用:http://www.inte.co.jp/news/2015inte/20150723.html
DODA(デューダ)新卒エージェントの役割
新卒者および第二新卒者を対象に就職活動を支援するエージェントサービスです。専任のキャリアコンサルタントが、学生の就職活動中に遭遇する悩みや目指すキャリア、志向性などに対してきめ細かくカウンセリングを行い、希望や適性に合った企業を紹介・推薦します。一方、ご登録いただく企業にとっては、エージェントを介することで、WEBや情報誌では伝えきれない企業の魅力を伝え、より求める人材像と合った学生との、的確で質の高いマッチングを実現します。
ベネッセi-キャリアの役割
ベネッセi-キャリアは、大学生が在学中から社会に出て必要な力を身につけられるように、「学内インターンシップ(就業体験)」など企業参加型教育の提供も行ってまいります。大学向けに専門の講師を派遣し、授業の中で座学のみでなく実践的なキャリア教育を提供することで、学びの質を深めます。
筆者の持論(まとめ)
今回の合弁設立と、新しい形でのサービス連携は、果たして大学生の就職活動をどの程度成功に導くのであろうか。相当前の話にはなるが、筆者はインテリジェンス(DODA)の転職エージェントサービスを利用させていただいたことがある。
会員登録は簡単。専任エージェントの女性スタッフが親身になって希望を聞いてくれ、現状や適性の分析、そして寄り添って企業を選び、企業へ推してくれた。つまり「よいサービスを受けることができた」という印象が残っている。(その後はご想像にお任せする)
ただ今回の場合は状況がまるで異る。1サービスではなく、2社2サービスのような打ち出しにみえてならない。実際は「DODA(デューダ)新卒エージェント」という一つのサービスなのであろうが、正直、組織的なインパクトが互いに大きいためなのか内容が分かりにくい。(互いが尖っているからなのか。)
学生は就職活動の中で、一貫したサービスを望むであろうし、異るサービスを提供されるとなると迷いが生じてしまうことはないであろうか。筆者のお勉強が足りないだけかもしれないが、大切なのは「整い、わかりやすいサービス」と「質」、そして何よりも「効果性」と「結果」である。
結局のところ、最後は自分自身ではあるが、このような教育を重視したサービスが増えることで、新卒者の選択が増えることは嬉しい事であり、選択と集中の必要性が増すということであると感じる。
ご紹介リンク
ベネッセi-キャリア
http://www.benesse-i-career.co.jp/
ベネッセ・ホールディングス
http://www.benesse-hd.co.jp/ja/
インテリジェンス